エルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ
Ermanno Wolf-Ferrari
1876年1月12日 – 1948年1月21日
1876年にヴェネツィアで生まれた彼は、当初は画家(父親は画家)を目指してローマで修行していたが、後に音楽へ転向。ミュンヘンで対位法の基礎を学んだ後、ヴェネツィアとミュンヘンの両都市を拠点に活動を展開。彼の作品は、本国イタリアよりも先にドイツで高く評価されるという独特の歩みを辿る。
彼の功績として最も象徴的なのは、18世紀のイタリアに栄えた「オペラ・ブッファ(喜歌劇)」の伝統を20世紀に蘇らせたこと。カルロ・ゴルドーニの戯曲を題材にした『4人の田舎者』や、小粋な一幕物『スザンナの秘密』など、軽妙で優美なコミック・オペラを数多く残した。また、現在では悲劇『マドンナの宝石』の間奏曲が、彼の名前を冠する最も有名な旋律として親しまれている。
第一次世界大戦以降は一時活動が停滞しましたが、晩年にはザルツブルクで教鞭を執り、再び室内楽や協奏曲などの器楽曲にも力を注いた。モーツァルトを思わせる新古典主義的な透明感と、イタリア特有の叙情的なメロディを併せ持つ彼の音楽は、時代に流されない独自の魅力を放っている。
1948年、故郷ヴェネツィアにて72歳でその生涯を閉じたが、近年ではオペラ以外の器楽曲の分野でも再評価が進んでいる。
本日は「マドンナの宝石」から間奏曲を。
きっと聞き覚えがあると思います。
出典@pnoguy1103
作品一覧
1. オペラ(歌劇)
彼の代名詞とも言えるジャンルで、多くがカルロ・ゴルドーニの戯曲に基づいています。
• チェネレントラ(1900年)
• せんさく好きな女たち(1903年)
• 4人の田舎者(1906年):彼の最も成功した喜歌劇の一つ。
• スザンナの秘密(1909年):一幕物の小粋な名作。
• マドンナの宝石(1911年):ヴェリズモ(現実主義)的な悲劇。間奏曲が非常に有名です。
• 恋する医者(1913年):モリエールの戯曲を原作とする。
• 天の衣(1927年):自身が最も愛したとされる幻想的な作品。
• スライ(1927年):シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』の導入部に基づく。
• イル・カンピエッロ(1936年):ヴェネツィアの広場(カンピエッロ)を舞台にした活気ある作品。
2. 管弦楽曲・協奏曲
晩年の協奏曲は、独奏楽器の魅力を引き出す優美な名曲が多いのが特徴です。
• 室内交響曲 変ロ長調 Op.8(1901年)
• 牧歌的協奏曲 イ長調 Op.15(1932年):オーボエと小管弦楽のための作品。
• 協奏的組曲 ヘ長調 Op.16(1933年):バスーンと管弦楽のための作品。
• ヴェネツィア組曲 イ短調 Op.18(1936年)
• ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.26(1944年):大戦末期の傑作。
• チェロ協奏曲 ハ長調 Op.31(1944年)
• イングリッシュホルンのための小協奏曲 変ア長調 Op.34(1947年)
3. 室内楽曲
彼の音楽の純粋な美しさが際立つジャンルです。
• ピアノ五重奏曲 変ニ長調 Op.6(1901年)
• ピアノ三重奏曲 第1番・第2番
• ヴァイオリンソナタ 第1番・第2番・第3番
• 弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.23(1940年)
• 弦楽五重奏曲 ハ長調 Op.24(1942年)
4. 声楽曲
• カンタータ『新生』 Op.9(1903年):ダンテの詩に基づき、彼の出世作となりました。
• リスペット(イタリアの愛の詩による歌):数多くの美しい歌曲を残しています。