採譜するときに音がわかっても
そしてリズムもピアノ上で再現できても
記譜することができないと
採譜が完成しないことになります。
まずは何拍子かわかり
拍ごとにリズムをとらえて記譜することになります。
音楽学校の聴音の指導では
左手の人差指で拍子をたたきながら
拍の頭の音から記譜していき
記憶しているメロディー・リズムを埋めていきます。
この時に何のリズムなのか迷っている時間はありません。
瞬時にリズムをとらえている状態です。
教室では
複雑なリズムにも対応していけるように
初期の段階から
拍の感覚を持つように心がけています。
誰もが持っている規則的な拍の感覚を引き出し
無理なくインテンポ(拍に入った状態)で弾けるようにしていきます。
ここで重要なのはその演奏がインテンポでないことを重要視するのではなく、
人間が本来持つ感覚、たとえば心臓の鼓動や赤ちゃんをあやす時のパッティング、
一定の速度での運転の心地よさなどを引き出し、
特殊な感覚なのではなく
自然な感覚だということを思い出してもらうことだと考えています。
本人にとって集中力のいる演奏中にさらにストレスをかけるのではなく
楽になるようにすることが結局は早道のようです。
リズムも初期の段階から細かい16分音符の音まで
習得していきます。
リズムのレッスンはレッスンの中でも
人気のアクティビティで打楽器を使ったりピアノでたたいたり
子供たちの笑顔と生き生きとした表情を見ることができ
技術習得の上でも気分転換の上でも効果が高いようです。
瞬時にリズムがわかるようになる土台は
このようなステップの積み重ねをしてゆくか
もしくは譜読みが正しく積み重ねられ、
経験値が高いかのどちらかだと思います。
読譜能力は聴音能力にもこのように結びついていて
採譜能力に必要不可欠です。
どんなに流暢に表情豊かに日本語を話していても
字を読むことができず、本も新聞も読めなければ
書くことができないのと同じです。
音楽でのいわゆる文盲状態は
時に見過ごされていますが
厳しいレッスンでなくても
丁寧なレッスンで身に付くものでもあるのです。
この教室の
「楽しく本物を」のスローガンの説明にもなったかもしれません。
日々小さなステップの繰り返しも音楽を感じる楽しさに結びつくと
わかっているのは大人だけなので、
小さな生徒たちには、
一緒に歩んでいく道のりの長さだけを感じさせたりしないように、
道中での出来事を分かち合いながら
一緒にたくさん笑いながら歩めたらと思っています。