前回はどのようにしてレッスンで絶対音感を身につけていくのかをお話しさせていただきました。
順調にレッスンをしてゆけば、メロディの音を聴き取ることが
できるようになるプロセスをご理解いただけたと思います。
今回はメロディ以外の音をとれるようになるプロセスとこの教室での
レッスン内容をお話しさせていただきます。
メロディ以外の音を聴き取る耳は
和声聴音のレッスン、ポリフォニックな音楽
(多声音楽・・・主旋律と伴奏という形ではなく旋律が複数ある音楽)を
弾く力などで養うことになります。
和声聴音だけで訓練するということが主流のようですが、
前回と同じように味覚と比較してご説明すると
和声聴音だけの訓練は、たとえば野菜を茹でただけの状態で食べて
その味を覚えることにも似ていると思います。
もちろん旬の取れたての野菜のおいしさに感動することもありますが、
それだけではお料理として成り立たないところは音楽の場合も同じだと思います。
一般には音大を目指すような人だけが取り組む
とされているバロック音楽(ポリフォニックな音楽)を
この教室で敢えて取り組むのは
①メロディ以外の音も聞く耳を養い、
②多角的に響く音楽の美しさを感じることができ
③左手の音の重要性を感覚的に知り、コントロールすべき大切な音ととらえることができ
④上記の3つの要素によってあるべき姿に収まる演奏へと導いてくれる
(一言でいうと上手だなと感じる演奏)
からなのです。
演奏において難しく問題点となりがちな部分は
ひとつにはメロディしか聞こえない耳から起こるものも多いのです。
拍子感覚やリズム感覚の未育成も弾きにくさの要因の一つと言えます。
またこのことはシリーズ内の別の回ででお話しさせていただきます。
レッスンではよく
右の音を右の耳で聞いて、
左の音を左の音で聞いてみよう
と話しています。
多くの生徒はその瞬間に頭の中で音楽が
ステレオスピーカー状態のように広がりを持つのが感じられるようです。
脳科学者ではないので正確なことはわかりませんが、
脳の使う部分が変わるような感覚を持ちます。
楽譜を見る→階名として認識する→弾く→聞く(左右それぞれ別々に行い次第に無意識化します)
→左右が融合し→左右それぞれコントロールできる。
珍しい習い事ではないピアノも小さい子供たちにとって、
そして初級者の脳にとってはずいぶん作業量の多いものではないでしょうか。
初級者・中級者はほぼ一年に一回発表会のために取り組むバロック音楽ですが
楽譜が簡単に見える割には演奏に集中力が必要なことをすぐに感じてもらえるようです。
今のところ、嫌がる様子を見ないのですが、
やはりステップを小さめにし舞曲など魅力ある曲を探していきたいと思っています。
時代背景も重厚できらびやかなドレスを着ていたヨーロッパの貴族文化なので
美術展での図録など見ながら時には興味を持ってもらえるようです。
この音楽全体を聞いていく力が、音楽のメロディ以外の音を聞き取る力になっていきます。
この力で少なくともベースライン(一番低い音)が聞こえると、
コードを認識しやすくなり、ピアノ上に聞いた音楽を再現できるようになります。
和声聴音でコードの感覚が持てるようになることも
コードの知識で和声聴音がしやすくなることも両方あり得ることです。
しかし、ある程度コード(和声)に親和性が出来てからのほうが
和声聴音は楽に感じることが多いので
コードのレッスンが一通り終わると和声聴音を聴音の時間に組み入れることになります。
次回はこの教室のコードのレッスンについてお話ししたいと思います。
2 コメントありがとうございます。
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