ピーターがおおかみをつかまえるまでのお話がオーケストラの曲になっています。お話とオーケストラの演奏が交互にでてくる音楽物語となっていてとても楽しいです。連弾の楽譜、CD、CD付き絵本などがあります。
ピーターとおおかみ
このお話の登場人物はそれぞれちがった楽器であらわされています。
- ■鳥はフルート
- ■あひるはオーボエ
- ■猫はクラリネット
- ■おじいさんはバスーン
- ■おおかみはホルン3台
- ■ピーターは弦楽器
- ■ライフルの音はドラム
お話
朝早く、ピーターは庭の門からとなりの広い緑の草原に行きました。大きな木の上には、ピーターの友達の鳥がいました。
鳥は陽気に、
「とっても静かだね」
と、さえずりました。そこへあひるがよちよちやってきました。あひるは、庭の門が開いたままで出入りできたのを喜んでいます。そして、草原にある池に飛び込みました。それを見ていた鳥は、あひるの近くまで行って、
「ねえあなた、なんていう鳥?なぜ飛ばないの?」
と、言いました。
あひるは、
「あなたこそ、なんて鳥?なぜ泳がないの?」
と、言いました。2羽はもめにもめて、あひるは池でバタバタ泳ぎ、鳥はその近くをはね回りました。
そのとき、ピーターに近づくものが、、、。猫がこちらに向かってくるではありませんか。
猫は、
「あの鳥たちは、何してるんだ? けんかだな。よーし、つかまえてやれ。」
と、思いました。そして、こっそりベルベットのような足のうらで近づいきました。
「あぶない!」
ピーターが叫び、鳥は急いで木の上へ逃げました。あひるは池のまんなかで怒ったようにクアッ、クアッと鳴いています。
猫は木の周りを歩き、
「あんな高いところに逃げられちゃ、たまらない。あそこまで登ったときには鳥は飛んでっちまうよ。」
と、考えました。
そこへ、おじいさんがやってきました。ピーターが草原に来たことを怒っているようです。
「ここはあぶないんだよ。もしおおかみが森からやってきたらどうするんだ。」
でもピーターは、
「おおかみなんてこわくない。」
と、思っているのです。おじいさんは、ピーターの手をとって家へつれて帰り、庭の門に鍵をかけてしまいました。
ピーターがいなくなると、すぐにおおかみが
森から
出てきました。またたくまに、
猫は
木に
登りました。あひるは、
興奮して
クアッ、クアッとないて、
池から
飛び出しました。でも、あひるは
速く
走れません。おおかみはいまにもつかまえようと
近づいてきます。そして、おおかみは、あひるを
一口で
飲み込んでしまいました。
猫と鳥は木の上にいました。でも鳥は猫に近づかないようにしていました。おおかみは何度も木の周りを回って、猫たちの方をじっと灰色の目で見つめました。
一方、ピーターは庭の中からこの光景を見ていたのです。ピーターは、怖くありませんでした。そして、ロープを持ってきて、石の壁を登り始めたのです。おおかみがぐるぐる回っている木の枝は、一本がちょうど石の壁のほうへ伸びていました。その枝をつかんで、ピーターは軽々と木に登りました。そして、鳥に言いました。
「おおかみの頭の上でぐるぐる回って飛んで!おおかみに捕まらないようにしてね。」
鳥はうまい具合におおかみの頭すれすれを飛び回り、おおかみは怒って捕まえようと、あっちこっちに手をのばしました。鳥は本当に恐ろしい思いをしました。でも、鳥はとても賢く、おおかみは捕まえることができませんでした。
一方、ピーターは投縄を作り、それを木の上からゆっくりおろすと、おおかみの尻尾にかけ、力の限り引っ張りました。おおかみは飛び跳ね、逃げようと暴れます。でも、ピーターはロープの端を木にしっかりと結びつけ、おおかみが暴れれば暴れるほど、きつく尻尾にからまるようにしたのです。
ちょうどその時、狩人がやってきました。おおかみの後をつけてきていたのです。そして、鉄砲で撃とうとしました。
でも、ピーターは木の上から 言いました。
「撃たないで!僕達、もうおおかみを捕まえたんです。
このおおかみを動物園に連れて行きたいんです。どうか手伝ってください。」
まるで凱旋行進みたいだ、とピーターは思いました。ピーターを先頭に、その後ろをおおかみを連れた狩人が歩き、その後ろにおじいさんと猫が続きました。おじいさんは不満そうに頭を振りながら 言いました。
「全く、、。おおかみがうまいこと捕まらなかったら、どうなっていたことか!」
行進するみんなの上を鳥がうれしいそうにさえずりました。
「ぼくら、勇敢な仲間さ!見て見て!ピーターと僕が何を捕まえたか!」
でも、よーく耳をすませてみてください。なにか聞こえませんか? そうです。おおかみのおなかのなかで、あひるが クアッ、クアッと鳴いているでしょう?
おおかみがあわててあひるを丸呑みにしたので、あひるはまだおなかの中で生きていたのです。
おしまい
※1その道を極めた人だけが体得しているもの
※2聴く人達の事
~写真の出典はウィキペディアです~
2013年8月22日by Sonare Piano Lessons4月生まれの音楽家:セルゲイ・プロコフィエフ はコメントを受け付けていません